ブログ

なぜ仮歯を入れるのか

今回は仮歯のお話をしたいと思います。
少し前のことになりますが、、、
6月のことになります。その日はお休みいただきご迷惑をおかけ致しました。 6/15.16は「ADPR TeCコース」を受講しました。まずTeCという言葉ですが、これは仮歯を意味します。テンポラリークラウン、プロビジョナルレストレーションとも呼ばれます。ここではTeCと表現を統一したいと思います。 TeCは「所詮は仮歯」と認識する歯科医師も居ないわけではなく、保険では基本的に収載されておらず、また扱いも簡単ではない、大学教育でもあまり熱心に取り組まれにくい現実(大学院で補綴を専攻するとたくさん取り組みます)もあります。そしてセミナーでもTeCに焦点を当てたものはあまりありません。なのでこのコースは数少ない勉強をする機会となりました。
 
実際TeCは 噛み合わせを作ることで機能するかを精査する 歯列に沿う幅、大きさを設定することで舌や頬を噛みやすくならないようにする 歯茎からの立ち上がりを作ることで審美性、清掃性の良い形を精査する など他にもたくさんのことを確認してそれから最終的な被せ物を作製することが可能です。 これらをしっかり行うか行わないかでは最終補綴物をセットしてからの実際の使用が大きく変わります。
 
仮歯といえど寸分狂わず段差を処理しないとそこが炎症の原因となり得る。
 
 
TeCを入れてみてすぐ外れてしまうか、壊れてしまうか、どのような壊れ方をするかでその患者さんの噛み合わせや咬合機能の良し悪し、傾向を掴み、その情報を歯科技工士と共有することでそのようなトラブルを回避した優れた被せ物が出来上がります。しかしそのようなシミュレーションを確実に行うにはTeCを扱う技術が重要です。
 
上記の内容をきちんと再現できないとただの虫歯や歯周病になりやすくなってしまうプラスティックをはめ込んでいるだけの状態となってしまいます。 歯科技工士に作製していただく最終物と同じようとはいきませんがなるべく近づけるようそのテクニックを習得して参りました。 以上のように「終わりよければ全て良し」は歯科治療においては成立しません。途中の地味かもしれない場面で一つ一つの作業があってそこをしっかり行うことに素晴らしいゴールがあると思います。
 

斉藤デンタルオフィス
〒154-0016
東京都世田谷区弦巻1-14-9
TEL:03-3425-5579
URL:https://www.saito-dentaloffice.com/
Googleマップ:https://maps.app.goo.gl/8uyinitjrkPFcXc17